ワインではフランスが有名で、さしものフランスも、もはや栄冠の上にはあぐらをかいていられなくなっています。そのことをじょじょに理解し始めています。オーストラリアばかりか、チリも、アルゼンチンも、そしてニュージーランド、アメリカ、南アフリカも今や目が離せなくなりつつあります。
21世紀の消費者が最も重視するのは、ワインの品質と、値段から見た価値でもあるのです。だからいつまでもフランス一辺倒で有ることは期待が出来なくなっています。
どのクラスにおいても、振興産出国のワインがフランス最良のワインと張り合うようになりました。フランスがいかに卓越したワインを生み出そうとしても、原産地管理呼称(アペラション・ドリジーヌ・コントレ
Appellation d'Origine Contrôlée:略称ア・オ・セAOC)制度を司る役人が細やかな規制に拘泥することをやめ、品質を第一に考えようとしなければ、ただでも商業主義に傾きつつあるこの制度が形骸化するおそれがあり、また将来の見通しは暗いものになってしまいます。
試されているのは、ワインの味やスタイルに関するフランス人の天分なのでしょう。
そのことからも分かりますが、AOCがフランスワインを知る手がかりとなることになんら変わりはありません。各呼称は各ワインのタイプを明確に示すものであって呼称の適用範囲は単一に小さな葡萄畑の場合も、大きな地区全体の場合もあります。ブルゴーニュが総じて最も広域に及ぶ概括的な呼称を持ちます。
しかし、それよりはるかに大切なのは、そのワインを造った業者の名前なのです。最良の栽培業者や酒商の名前がとりわけ重要になっています。一方、AOCを得るのに必要な総合的な質や伝統を持たない地域の中には、有料品質限定ワイン(ヴァン・デリミテ・ドゥ・カリテ・スユペリュール
Vins Délimités de Qualité Supérieure:略称ヴェ・デ・キュ・エスVDQS)に等級づけられた地域もありますが、次々とAOC級に昇格していくために、このグループは先細りしています。
かわって、、比較的新しく設けられた地方ワイン(ヴァン・ドゥ・ペイVins de pays)が著しい成功を収めています。これは、試してみてもまず損はありません。中には異彩を放つ独創的なものもあって、お買い得という点ではフランス随一、つまるところ(並いるライバルを抑えて)世界一である場合が多いのです。
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